【超初心者向け概要解説】控除って何?
★この記事はこんな人にオススメ★
✓控除控除って聞くけど、耳慣れなさ過ぎてもう聞きたくない
✓税金と聞くとネガティブな気持ちになる
✓「控除」という言葉を知ってはいるが、種類が多すぎて混乱している
あなたは「控除」について、きちんと知っていますか?
私がまだ企業で働き始めて間もない時には、「控除=家族を持っている人がするもの」ぐらいのイメージしかありませんでした。
社員に書類を持って行って相談しても「あなたはこことここにチェック入れて提出しておいて」と言われるだけで、きちんと説明されるわけでもなく...
とても不安な気持ちになったことを覚えています。
逆にFP試験などできちんと勉強したことがある方でも、「適用条件や控除金額までわかるのに全体像がよくわかっていない気がする、、、」という方は多いのではないでしょうか。
「控除」って何なんでしょうか?
本記事で、その正体をハッキリさせたいと思います!
そもそも「控除」ってどういう意味?
税金の世界でいう「控除」とは、配偶者や扶養家族の有無、個人で加入している保険に払っているお金(保険料)、その他諸々について、税金を軽減することです。
「君、子ども二人抱えて大変だよね。よし、税金を少し軽くしてあげよう」みたいなイメージですね。
こんな感じで、私たち一般市民は様々な理由をつけて、払うべき税金を軽くしてもらうことができるわけです。
こう書くと、「子供とかパートナーがいると税金安くしてもらえるんだ!」と思いがちですが、実は、「控除」の定義について、辞書にはこのように書いてあります。
【控除・扣除】
金銭、数量などを差し引くこと。特に、収入などの合計を出すときに、ある金額をはじめから差し引いて勘定に入れないこと。
(参考:Weblio辞書「精選版 日本国語大辞典」)
そう、定義としては、控除はあくまで収入からするもの。
収入を控除によって少なく見せかけることで、税金を減らすことにつなげるという仕組みになっています。
控除金額がそのまま税金から引かれると思っている方が結構いるのですが、基本的にその認識は誤りということです。
とはいえ現実世界では、その認識で合っている控除も存在します。つまり、両方存在します。
詳しく見ていきましょう。
【これだけ覚えておけばok!】控除は大きく分けて2種類
一般的に、誰もが覚えておくべき控除の枠組みはこれだけです。
①所得控除
②税額控除
たくさんある控除のほとんどがこの2つのいずれかに分類されますので、まずこの2つの枠組みを理解してください。
①所得控除
こちらは、「控除」の原則通り、税率をかける前に収入(正確には「課税標準」にあたるのですが、このあたりはとても複雑なので説明は割愛します。本記事ではざっくり「収入」で理解してください)から控除額を引くパターンです。
計算式でいうと、(収入-所得控除)×税率になります。
【例題】
Q.収入(課税標準)が200万の人が所得控除20万を受けた場合、税の金額はどうなる?(税率は20%とする)
A. (200万-20万)×0.2=36万円
②税額控除
こちらは①所得控除とは反対に、税率をかけた後に、税額から控除額を直接引くパターンです。
先述の「控除金額がそのまま税金から引かれる」控除ですね。
計算式でいうと、(収入×税率)-税額控除になります。
【例題】
Q.収入(課税標準)が200万の人が税額控除20万を受けた場合、税の金額はどうなる?(所得控除は0で、税率は20%とする)
A. 200万×0.2-20万=20万円
※いずれも、他に様々な計算がありますが、わかりやすさを重視し簡略化しています
①②を比較してみると
①②を比較すると、明らかに②税額控除の方がインパクトが大きいことがわかります。
しかし、世の中で知られている「控除」のほとんどが、原則通りの①所得控除にあたります。
なので、控除を申請したのに思ったより税金が減らない...と感じてしまうのは無理ありません。
「控除は原則として、収入から引く」からなんですね。
とはいえ、所得控除は金額自体が大きいものもありますし、種類もたくさんあります。
それぞれどんな種類があるのか、見ていきましょう。
控除にはどんな種類があるの?
ざっと20種類近くありますが、多くの人が利用しそうな控除については赤字にしました。
①所得控除
【人的控除】
・基礎控除 …誰にでも適用される控除
・配偶者控除 …配偶者がいる人に適用される控除
・配偶者特別控除 …上記とほぼ同じだが、適用条件が少し異なる控除
・扶養控除 …子どもや両親などを扶養する人に適用される控除
・障碍者控除
・寡婦(寡夫)控除
・勤労学生控除
【物的控除】
・社会保険料控除 …健康保険料、年金などの支払がある場合に適用される控除
・生命保険料控除 …生命保険などの保険料の支払がある場合に適用される控除
・地震保険料控除 …地震保険の保険料の支払がある場合に適用される控除
・医療費控除 …医療費が高額の場合に適用される控除 ※本ブログ「医療費控除」の記事にリンクできます。
・寄付金控除 …特定の機関に寄付をした場合に適用される控除(ふるさと納税など)
・小規模企業共済等掛金控除
・雑損控除
②税額控除
・住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)…住宅ローンがある場合に適用される控除
・配当控除 …株等を買うともらえる配当金を受け取った場合に適用される控除
・外国税額控除
会社から源泉徴収票を受け取ったことのある方ならわかるかと思いますが、あれに記載されている控除のほとんどは①所得控除です。
所得控除はインパクトこそ少ないものの、配偶者控除や扶養控除などの人的控除については、金額自体が大きい傾向にあるので、無視できません。。
適用条件や金額の詳細についての説明は長くなるので割愛しますが、
「こんな控除があるんだな~」という事実だけでも知っておいて損はないと思いますよ。
まとめ
①控除は原則収入から引くものである
②控除には大きく分けて、「所得控除」「税額控除」の2種類ある
③前者は原則通り収入から差し引き、後者は税金から直接差し引く
④控除の種類はたくさんあるが、一般的に使うものは限られている
控除に対する理解が少しでも深まったなら嬉しいです。